夏のペット写真は、暑さ対策から
安全に、夏らしい一枚を残すために

写真の撮り方

ゆるかわタッチで描いた、水辺であそぶ柴犬のイラスト

夏はうちの子の写真がにぎやかになる季節です。水遊び、夕方のお散歩、日かげでのんびりしている顔。ただ夏の撮影には、ほかの季節にはない前置きがひとつだけあります。撮ることより、暑さ対策のほうが先だということです。この記事では、安全をいちばんに置いたうえで、夏らしい一枚を残すやり方をご案内します。

夏の写真は、撮る前に「暑さ」から考える

人が「今日はちょっと暑いな」と感じている日、地面のすぐ近くで生活している子たちは、それよりずっと高い温度の中にいます。背の高さがちがうので、体感している空気そのものがちがうのです。まずここを前提にしてください。夏の撮影で優先されるのは、いい写真ではなく、うちの子が無事に家に帰ることです。

そのうえで言うと、夏は写真として魅力のある季節でもあります。光が強く、色がはっきり出て、水と緑がきれいに写ります。安全の枠の中でだけ撮る、と決めてしまえば、短い時間でも十分にいい一枚が残せます。

アスファルトの熱さは、手のひらで確かめる

夏の道路は、見た目では熱さが分かりません。撮影に出る前に、手のひらをアスファルトに5秒あてるやり方を習慣にしてください。5秒がつらいと感じたら、その地面はうちの子の肉球にはもっとつらいということです。その日は外での撮影をやめて、家の中に切りかえます。

とくに気をつけたいのが、日が沈んだあとの時間です。空気は涼しくなっていても、アスファルトは日中の熱をためこんでいて、夜になってもまだ熱いことがあります。「もう暗いから大丈夫」と思わずに、そのつど手で確かめてください。土や芝生の上は熱がこもりにくいので、公園の芝生を選ぶだけでも条件はよくなります。

撮影は10分で切り上げる

外での撮影は、はじめから「10分だけ」と決めておくのがおすすめです。時間を決めずに撮りはじめると、いい表情を待っているうちに20分、30分とすぎてしまいます。タイマーをかけておくくらいでちょうどいい季節です。

水は、必ず持っていく

短い散歩のつもりでも、夏は水を持って出てください。ペットボトルと、折りたためる器がひとつあれば足ります。撮影の合間に一度飲ませる、というリズムを作っておくと、休憩のタイミングを忘れずにすみます。

体にかけるための水も、別に用意しておくと安心です。冷たすぎる水を一気にかけるより、常温の水を首や足のまわりから少しずつかけるほうが体への負担が少ないと言われています。保冷剤を使うときは、タオルで包んで直接あてないようにしてください。

撮るなら、朝と夕方

夏の撮影に向いている時間は、日の出から1〜2時間ほどと、日が傾いてから沈むまでです。気温が下がっているだけでなく、光がやわらかく斜めから入るので、写真としてもこの時間がいちばんきれいに写ります。

朝の光は、色がすっきり出る

朝は空気が澄んでいて、毛色がそのままの色で写ります。白い毛の子はとびにくく、黒い毛の子もつぶれにくい時間帯です。散歩のついでに2〜3枚だけ撮る、というくらいの気持ちでちょうどいいと思います。

夕方の光は、あたたかい色になる

日が傾いた時間の光は、少しオレンジがかっています。毛全体があたたかい色に包まれて、やわらかい雰囲気の写真になります。逆光ぎみに撮ると、毛のふちが光ってふわっとした一枚になりますが、顔が暗くなりすぎたときは、少しだけ横に回りこんで角度を変えてみてください。

水遊びの一枚は、夏にしか撮れない

水にふれているときの顔は、その季節にしか撮れません。庭のたらい、川辺、ペット用のプール。水が好きな子なら、遊んでいる最中の一枚をぜひ残してください。

コツは、連写にして、あとから選ぶことです。水しぶきが上がった瞬間や、顔を上げた瞬間は、狙って押しても間に合いません。シャッターボタンを長押しして何枚も撮り、いちばんいい表情の1枚を残します。スマホでの基本の設定はスマホでの撮り方の記事にまとめてあります。

水がきらいな子に、写真のために水へ入ってもらう必要はありません。足だけ濡らしている顔、水を見て固まっている顔も、じゅうぶんその子らしい一枚になります。

涼しげな小物を、ひとつだけ足す

夏らしさは、小物ひとつで伝わります。すだれ、風鈴、うちわ、ガラスの器、青いタオル。画面の中に涼しい色や形がひとつ入るだけで、季節が分かる写真になります。

気をつけたいのは、足すのはひとつまでということです。ひまわりも風鈴もうちわも全部入れると、うちの子が背景にまぎれてしまいます。主役はいつもうちの子で、小物は季節を伝えるための添えものです。

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日かげの光は、じつはいちばんきれい

夏に直射日光の下で撮ると、顔に濃い影ができて、目のまわりが真っ黒につぶれてしまうことがあります。木の下や建物のかげに入ると、光が全体にまわって、影の少ないやわらかい写真になります。

とくに真っ白な毛の子は、直射日光だと白がとんで、のっぺりした平面のように写ります。日かげのほうが毛のふくらみが残ります。くわしくは白い犬・白猫の撮り方をご覧ください。反対に黒い毛の子は暗くなりすぎることがあるので、日かげの中でも明るいほう、たとえば木もれ日のふちのあたりを選ぶと写りやすくなります。

こんなサインが出たら、すぐに中止する

夏の撮影で、いちばん大切なのがここです。次のような様子が見えたら、写真はそこでおしまいにして、涼しい場所へ移動してください。

  • はげしく、浅い息をくり返している
    口を大きく開けたまま、ハッハッという息が止まらない状態です。
  • よだれが多くなる・ねばつく
    いつもと明らかにちがう量のよだれが出ているときは要注意です。
  • 歩きたがらない・ふらつく
    座りこむ、立ち上がらない、足もとがふらつくのは強いサインです。
  • 歯ぐきや舌の色がいつもとちがう
    赤黒い、あるいは白っぽいなど、ふだんとちがう色になっているとき。

涼しい場所に移して体を冷やしながら、様子が戻らないときはためらわずに動物病院へ連絡してください。夏の体調のことは、素人判断で「少し休ませれば大丈夫」と決めないほうが安心です。写真は来年でも撮れます。

シニアの子・鼻の短い子は、とくに慎重に

年をとった子や、鼻の短い犬種、心臓に不安のある子は、暑さの影響を受けやすいと言われています。夏は外での撮影をあきらめて、エアコンの効いた部屋の中で撮ることも立派な選択です。

年をとった子の撮り方はシニアの子の写真の記事にもまとめています。夏はとくに、体に負担をかけない撮り方を選んでください。

外がむりな日は、家の中で撮る

猛暑の日は、無理に外へ出ない。これがいちばんの正解です。家の中でも、窓のそばに立ってもらえばじゅうぶん明るい写真が撮れます。カーテンごしの光はやわらかく、影も出にくいので、じつは外より撮りやすいくらいです。

エアコンの風の来るところで寝ている顔、氷を追いかけている顔、床にべたっと伸びている姿。どれも夏の記録です。おうちの中で撮るコツは雨の日のおうち写真の記事がそのまま使えます。

よくある質問

海に連れていっても大丈夫ですか

砂浜も日中はかなり熱くなります。行くなら朝早い時間か夕方にして、真水と、体を洗い流すための水を用意してください。海水を飲んでしまわないように見ておくことも大切です。心配なことがあれば、出かける前にかかりつけの動物病院に相談しておくと安心です。

夏の写真は、イラストにも向いていますか

向いています。明るい場所で撮った写真は毛色が正しく出るので、特徴が読み取りやすくなります。ただし直射日光で顔に濃い影が落ちている写真は、模様と影の区別がつきにくくなります。日かげか、朝夕の光で撮った一枚を選んでください。選び方はイラストに向く写真の選び方にくわしく書いています。

動画も撮ったほうがいいですか

水遊びのように動きのある場面は、動画のほうが残しやすいこともあります。あとから静止画を切り出すこともできるので、迷ったら動画で回しておくのはいい方法です。やり方はペット動画の撮り方にまとめました。

さいごに

夏の写真でいちばん大事なことは、短い時間で切り上げる勇気だと思います。10分で撮って、水を飲ませて、涼しい部屋に帰る。それだけで、その夏の記録はちゃんと残ります。

そうして撮れた一枚は、何年かたってから見返したときに、その年の暑さごと思い出させてくれます。無理をしない範囲で、今年の夏の顔を残してみてください。

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