ペットの動画、どう撮って、どう残す
スマホだけでできる15秒の記録

写真では残らないものがあります。走ってくるときのリズム、名前を呼ばれてふり返るまでの間、寝ているときの小さな寝息。動画は、そういう「動きと音」を残してくれます。特別な機材はいりません。スマホがあれば、今日から始められます。この記事では、撮り方から保存のしかたまでをまとめます。
この記事の内容
動画にしか残らないものがある
写真はいちばんいい一瞬を切り取ります。動画はそのかわりに、前後の時間を残します。名前を呼ぶ、耳がぴくっと動く、少し考えてから立ち上がる、しっぽが揺れはじめる。この一連の流れは、写真では絶対に残せません。
そして何より、声が残ります。鳴き声、いびき、ごはんを食べる音、床を歩く爪の音。あとになって見返したとき、いちばん胸に来るのは音のほうだった、という声をよく聞きます。写真をたくさん撮っている方ほど、動画も少しだけ残しておくことをおすすめします。
必要なのは、スマホだけ
ペットの動画に、専用のカメラは必要ありません。いまのスマホは、家の中の明るさでもきれいに撮れますし、手ぶれもかなり抑えてくれます。買い足すものがあるとすれば、それは道具ではなく、保存する場所のほうです。
設定はさわらなくていい
画質の設定を上げると、そのぶんファイルが大きくなって、あとの保存がたいへんになります。標準の設定のままで十分にきれいです。設定をいじるより、明るい場所で撮ることのほうが、仕上がりへの影響はずっと大きくなります。
撮る前に、レンズをふく
地味ですが、これがいちばん効きます。ポケットやバッグに入れているうちに、スマホのレンズは皮脂やほこりで曇っています。服のはしでさっとふくだけで、白くにじんだ感じがなくなります。写真のときにも同じことが言えるので、スマホでの撮り方の記事とあわせて読んでみてください。
横向きと縦向きを、使い分ける
どちらが正しい、という話ではありません。あとで何に使うかで決めるのがいちばん分かりやすい基準です。
横向きが向いている場面
走っている、遊んでいる、景色の中にいる。左右に動きがある場面や、まわりの様子もいっしょに残したいときは横向きです。テレビやパソコンで見返すとき、画面いっぱいに広がるのも横向きの良さです。家族で見返す前提なら、横向きをおすすめします。
縦向きが向いている場面
顔のアップ、寝ているところ、おすわりしている姿。上下に長いものや、動きの少ない場面は縦向きが向いています。SNSにそのまま投稿したいときも縦向きです。スマホで見返す時間が長い方は、縦のほうが自然に見られます。
途中で持ちかえない
撮っている最中にスマホを横から縦へ回すと、あとから見たときに映像が90度ねじれてしまい、直すのがとてもたいへんになります。撮りはじめる前に向きを決めて、そのまま最後まで撮ってください。
尺は15秒。長く回さない
動画でいちばんよくある失敗が、長く撮りすぎることです。5分回した動画は、まず見返しません。ファイルも大きく、どこにいい場面があるのかも分からなくなります。
おすすめは、1本15秒。長くても30秒です。短いと物足りない気がしますが、実際に見返してみると、15秒はかなり長い時間です。「いい場面が来たら撮りはじめて、終わったら止める」ではなく、「撮りはじめて、15秒たったら止める」と決めてしまうほうがうまくいきます。
長く撮ってしまったときは、その日のうちに前後を切り落としてください。スマホの写真アプリで、動画の下に出るバーの両はしを内側にずらすだけで切れます。編集アプリを入れる必要はありません。
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音もいっしょに残す
動画を撮るときは、できるだけ音を消さないでください。テレビの音や生活音が入るのが気になるかもしれませんが、それも含めてその時期の家の音です。何年かたつと、その雑音のほうが記憶を呼び戻してくれます。
名前を呼んであげると、声と反応の両方が残ります。ふり返る、耳が動く、しっぽが揺れる。この「呼びかけ → 反応」の15秒は、動画でいちばん残しておく価値のある形だと思います。
撮っている自分の声が入るのを恥ずかしく感じる方もいますが、それも記録です。あとから見返す家族にとっては、うちの子の声と、呼んでいる人の声が両方入っていることに意味があります。
ぶれを減らす、いちばん簡単なコツ
ぶれの原因のほとんどは、腕が空中に浮いていることです。ひじを体につける。これだけで見ちがえます。床にすわって、ひざにひじをのせて構えると、さらに安定します。
そしてもうひとつ。カメラを動かさないことです。追いかけて撮ると、画面がぐらぐらして見づらい映像になります。うちの子が動いてくれるのを、じっと待つほうがきれいに写ります。走ってくる場面なら、来る方向にカメラを向けて固定しておき、フレームに入ってくるのを待ってください。
近づきたいときは、ズームを使わずに自分が近づいてください。スマホのズームは画質が落ちるうえに、ぶれも大きくなります。
動画から、静止画を切り出す
動画の便利なところは、あとから写真を取り出せることです。狙って撮れなかった一瞬も、動画で回しておけば、あとからその1コマを取り出せます。
スマホだけでできるやり方
写真アプリで動画を再生し、いい場面で一時停止して、そのまま画面を撮る(スクリーンショット)のがいちばん手軽です。ただしこの方法だと、画面の余計な部分まで写るので、あとから切りとる必要があります。
もう少しきれいに取り出したいとき
動画の1コマをそのまま画像として保存できる機能や、無料のアプリもあります。スクリーンショットより画質が落ちにくいので、大きく印刷したいときはこちらが向いています。
切り出した写真は、少しぼやけます
動いている場面から取り出した1コマは、どうしても輪郭がやわらかくなります。じっとしている場面から切り出すと、くっきりした1枚になります。
切り出した1枚は、イラストの元にもなります
「決定的な瞬間の写真がない」という方は、動画から切り出してみてください。走っているところ、笑っているように見える顔、あくびの途中。写真として撮れなかった表情が、動画の中には残っていることがよくあります。
ただし切り出した画像はぼやけやすいので、イラストの元にするときは、できるだけ動きの少ない場面から取り出したものを選んでください。顔がはっきりしていて、目と鼻と耳の形が分かれば、じゅうぶん元の写真として使えます。どんな写真が向いているかはイラストに向く写真の選び方にまとめています。
アニマル日和では、はじめての方に1枚無料でイラストをお作りしています。動画から切り出した写真でも受けつけていますので、手もとにいい写真がないという方も、一度試してみてください。くわしくは無料プレゼントの記事をご覧ください。
保存とバックアップ
動画は写真よりずっと容量が大きいので、放っておくとスマホがすぐいっぱいになります。そして動画は、消えたときのショックが写真より大きい。だから保存は最初から決めておいてください。
- 自動でクラウドに上がる設定にする
スマホの写真アプリの同期をオンにしておくと、撮った動画が自動で保存されます。まずはこれだけで十分です。 - もう1か所、別の場所にも置く
クラウドだけだと、アカウントが使えなくなったときに困ります。パソコンか外付けのハードディスクにも、年に一度コピーしておくと安心です。 - 残すものを決めて、あとは消す
全部残そうとすると続きません。1か月に3本だけ残す、と決めるくらいがちょうどいいと思います。 - 年に一度、まとめて見返す
見返す日を決めておくと、動画がただの記録ではなく、家族の行事になります。
写真とあわせた整理のしかたは写真の整理術の記事にまとめています。動画も同じ考え方で整理できます。
よくある質問
編集アプリは必要ですか
最初は必要ありません。前後を切るだけなら、スマホに最初から入っている写真アプリでできます。音楽をつけたり複数の動画をつなげたくなったときに、はじめて考えれば十分です。
スローモーションで撮ったほうがいいですか
走っている場面や、水しぶきが上がる場面には向いています。ただしスローで撮ると音が入らない、または引きのばされることが多いので、声を残したいときはふつうの設定で撮ってください。
撮った動画が暗くなってしまいます
写真より、動画のほうが暗い場所に弱いと考えてください。窓のそばに移動するか、部屋の照明をつけると改善します。撮る前に画面上でうちの子の顔をタップすると、そこに明るさが合います。
さいごに
動画は、うまく撮ろうとするほど撮れなくなります。名前を呼んで、ふり返るまでの15秒。それだけで十分です。かっこいい映像を作る必要はありません。
今日、うちの子が寝ているところで15秒だけ回してみてください。そのなんでもない15秒が、いつかいちばん大切な記録になります。
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