シニアペットの写真は、「今」が撮りどき
無理をさせずに、いまの姿を残すために

写真フォルダをさかのぼると、若いころの写真ばかりが出てきます。元気だったころは、こちらもたくさん撮っていたからです。けれど、いま隣にいるこの子の写真は、思っているほど残っていないことがあります。この記事は、年を重ねた子の写真を、無理をさせずに残すための話です。特別な準備は要りません。今日の、なんでもない一日から始められます。
この記事の内容
写真は、いちばん元気なころのものばかり残る
子犬・子猫のころは、何をしていても新鮮で、毎日のように写真を撮っていたと思います。年月がたつと、その子がそこにいることが当たり前になって、カメラを向ける回数は自然に減っていきます。誰のせいでもなく、そういうものです。
でも、いまの姿には、若いころにはなかったものがあります。落ち着いたまなざし、白くなってきた口もと、ゆっくりした歩き方。それは衰えの記録ではなく、一緒に過ごしてきた年月そのものです。あとから見返すと、そこがいちばん愛おしい部分になります。
だから、いまの写真を撮ってください。うまく撮れなくても構いません。撮っておくことのほうが、ずっと大事です。
まず、無理をさせないこと
これが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。いい写真のために、立たせる、押さえる、繰り返し呼ぶ、といったことはしないでください。体に負担がかかりますし、うちの子にとってカメラが「いやなもの」になってしまいます。
撮影は、1回5分までと決めておくのがおすすめです。短い時間で、いま撮れるものだけを撮る。それを何日か重ねるほうが、1日がんばるよりずっとたくさん残ります。
うちの子が寝ているなら、起こさずにそのまま撮ってください。日なたでうとうとしているなら、その姿がいちばんの写真です。こちらが合わせるほど、自然な表情が残ります。
寝顔を、撮っておく
シニアの子は、眠っている時間が長くなります。そのぶん、寝顔はいちばん撮りやすく、いちばん「その子らしい」写真になります。丸まったかたち、鼻先のしわ、少しだけ開いた口。ずっと見てきたはずの寝顔を、あらためて1枚残してください。
撮るときは、床にすわるかひざをついて、目線の高さから。上から見下ろすより、寝ている顔の高さで撮ったほうが、そばにいる感じが写ります。近づきすぎず、少し離れて撮ってあとから切り取ると、起こさずに済みます。
シャッター音が気になるときは、マナーモードにするか、動画で撮ってあとから静止画を切り出してください。眠りを妨げないほうが、結果としていい表情が残ります。
同じ寝顔でも、季節によって寝るかたちは変わります。冬は丸まって、夏は伸びて。何枚か重ねて残しておくと、その年その年の暮らしぶりまで一緒に残ります。
足もと、手、耳。体の一部も撮っておく
顔だけでなく、部分の写真をぜひ撮ってください。肉球、前足、耳のかたち、しっぽの先、白いひげ。ふだんはわざわざ撮らない場所ですが、あとで見返したときに、いちばん実感がよみがえるのはこうした写真です。
おすすめは、うちの子の前足に自分の手を添えて撮る1枚です。大きさの違い、毛のやわらかさ、爪のかたち。何年もいっしょに暮らしてきたことが、その1枚に全部入ります。
部分を撮るときは、明るいところで、近づきすぎずに撮ってください。手前に寄りすぎるとピントが合いにくくなります。少し離れて撮り、あとから切り取るほうがきれいです。
白くなった口まわりも、そのまま残す
口のまわりや眉のあたりが白くなってくると、写真を撮るのをためらう方がいます。「若いころの顔で残したい」という気持ちは、とてもよく分かります。
けれど、その白さは、その子が長く生きてきたしるしです。何年もいっしょに歩いてきた時間が、そこにあらわれています。あとで見返したとき、白くなった顔の写真は、若いころの写真とはまた別の場所に響きます。隠さずに、そのまま撮ってください。
写真を明るく撮りすぎると、白い毛がとんでしまって、質感が消えることがあります。ほんの少し暗めに撮ると、白い毛の一本一本が残ります。やり方は白い毛の撮り方と同じ考え方です。
はじめての方だけ・1枚無料
フラッシュは、使わないでください
強い光は、目にも負担になりますし、眠っている子を驚かせます。とくにシニアの子は、急な刺激に対する反応が若いころとは違うことがあります。暗いと感じたときは、フラッシュを足すのではなく、明るい場所へ移すか、カーテンを開けてください。
うちの子が動きたくなさそうなら、無理に移動させずに、部屋の照明をつけて撮ってください。多少暗くても、無理をさせないほうを選んでください。写真の出来より、そちらが大事です。
特別な日ではなく、なんでもない日を撮る
誕生日や記念日に撮る写真も、もちろんいいものです。でも、あとから見返して胸に来るのは、たいていなんでもない日の写真のほうです。いつものクッションの上、ごはんを待っている姿、玄関で待っている後ろ姿、いっしょにいるだけの一枚。
「ちゃんとした写真を撮ろう」と思うと、腰が重くなります。かわりに、1日1枚だけ、目についた場面をそのまま撮る、と決めてみてください。数ヶ月たったころには、その子の暮らしがまるごと残っています。
日々の記録のしかたはペットの日記のつけ方に、たまった写真の整理は写真の整理術にまとめています。
動画も、少しだけ残す
写真には写らないものがあります。歩くときのリズム、名前を呼んだときの耳の動き、寝息、鳴き声。10秒でいいので、動画も残しておいてください。あとになって、写真より動画を何度も見返すことがあります。
動画は、静止画としても使えます。止めたい場面でスクリーンショットを撮れば、それが1枚の写真になります。撮影が苦手な方や、うちの子がカメラを気にする場合は、この方法が向いています。くわしくはペットの動画を撮る・残すをご覧ください。
- 1回5分まで
長く付き合わせない。短い撮影を何日かに分ける。 - 起こさない
寝ているなら、そのままの姿を目線の高さから。 - フラッシュは使わない
暗ければ明るい場所へ。移動がつらそうなら照明で。 - 部分も撮る
前足、肉球、耳、白いひげ。あとで効いてきます。 - 動画を10秒
歩き方、寝息、鳴き声。写真には写らないものが残ります。
気になることがあれば、動物病院へ
写真を撮っていると、ふだん見過ごしていたことに気づくことがあります。歩き方が変わった、目の様子がいつもと違う、体つきが痩せてきた。そうしたことに気づいたら、写真の話は横に置いて、かかりつけの動物病院にご相談ください。
アニマル日和は、健康について何かをお伝えできる立場ではありません。判断は必ず獣医師の方にお願いします。ただ、撮った写真は「いつごろから、どう変わったか」を伝える手がかりになることがあります。日付の入った記録として、思いのほか役に立つことがあります。
さいごに
シニアの子の写真は、うまく撮ることより、撮っておくことのほうが大事です。ピントが甘くても、部屋が散らかっていても、あとから見返せばぜんぶ愛おしくなります。今日1枚だけ、いまの姿を撮ってみてください。
アニマル日和では、はじめての方にうちの子のイラストを1枚無料でプレゼントしています。いまの顔をゆるかわタッチで描いて、手もとに置いておく。そんな残し方もあります。撮り方の基本はスマホで撮る7つのコツにまとめていますので、よければあわせてご覧ください。
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