写真とイラスト、うちの子の思い出は
どっちで残すのがいいのでしょう。場面別に考えます

知識・比較

ゆるかわタッチで描いた猫のイラスト

スマホの中には、うちの子の写真が何百枚もある。それなのに、飾っている1枚はない。そんな方は多いと思います。写真とイラストは、得意なことが違います。どちらが優れているという話ではなく、残したいものによって向き不向きがある、というだけのことです。この記事では、その違いと、場面ごとの使い分けを並べてみます。

「どっちがいいの?」に、ひとつの答えはありません

うちの子の思い出を形にしたい。そう思ったとき、写真をきれいに残すか、イラストにしてもらうかで迷う方がいます。どちらにもよさがあるので、迷って当然です。

先に結論めいたことを書いてしまうと、選ぶ必要はありません。写真は記録として残し、イラストは飾るために作る。役割を分けてしまえば、どちらも手に入ります。

とはいえ、なぜそう言えるのかが分からないと納得できないと思います。まずは、それぞれが得意なことから見ていきます。

写真にしかできないこと

写真の強みは、その瞬間が、そのまま残ることです。あの日の光の色、まわりに写り込んだ部屋のようす、たまたま浮かんだ変な顔。狙って作れないものが、すべて記録されています。

毛の一本一本、ひげの向き、目のうるみ。細かいところまで写っているので、あとから見返したときに「そうだった、こんな顔だった」と、記憶のほうが引き戻されます。イラストではここまでの情報量は出せません。

そして、撮るのに時間もお金もかかりません。スマホを向けて押すだけです。だからこそ何百枚もたまるわけで、その量そのものが、いっしょに過ごした時間の記録になっています。

枚数が多すぎて見返せない、というのが写真のいちばんの悩みかもしれません。整理のやり方は写真の整理の記事にまとめてありますので、たまりすぎて困っている方はそちらもどうぞ。

写真には、少し扱いにくいところもあります

ここは書くかどうか迷った部分ですが、正直に書きます。写真は情報が多いぶん、見るときの気持ちの負担が大きくなることがあります

とくに、旅立ってしまった子の写真です。そこに写っているのは、たしかにその日にいた姿そのものなので、見るたびに、いない今との差がはっきり立ちあがってきます。飾りたいけれど、飾ると毎日それを見ることになる。そう感じて、しまったままにしている方は少なくないようです。

もうひとつは、生活の中に置いたときの落ち着かなさです。写真は背景まで写っているので、洗濯物や散らかった部屋がいっしょに入っていることがあります。飾るために撮った1枚でないかぎり、そのまま額に入れると、少し座りが悪くなります。

イラストにしかできないこと

イラストの強みは、情報を減らせることです。減らすというと悪いことのようですが、飾るときにはこれが効きます。

背景を取り払い、その子の特徴だけを残す。毛色、模様、耳の形、体つき。「その子だと分かるもの」を残して、ほかを省くと、見る人の気持ちがそこに集中します。生活のごちゃごちゃが写り込まないので、どんな部屋に置いても浮きません。

そして、これがいちばん大きい点だと思うのですが、見るたびに気持ちが重くなりにくいのです。とくにアニマル日和のような2頭身のちびキャラだと、悲しさよりも先に、かわいさが立ちます。「元気だったころのあの子」ではなく「うちの子というキャラクター」として、日常の中に置いておけます。

これは、悲しみをごまかすという話ではありません。飾れる形にしておくと、日常の中でその子に会える回数が増える、というだけのことです。会える回数が増えるのは、たぶん良いことです。

古い写真からでも作れる、というのも強みです

写真は、そのままではきれいにできないことがあります。何年も前に撮った、画質のあらい写真。プリントを撮り直した、色あせた1枚。手ブレしている写真。大きく引き伸ばそうとすると、粗さも一緒に大きくなります。

イラストにする場合は、そこがだいぶ変わります。目・鼻・耳の位置と、毛色と模様が読み取れれば、そこから絵を起こせます。もとの写真がぼやけていても、絵の線はくっきり引けます。

「もっといい写真を撮っておけばよかった」という後悔は、多くの飼い主さんが抱えているものです。イラストは、その後悔をいくらか埋めてくれる方法のひとつになります。手もとに古い写真しかない方は古い写真からイラストにする記事を読んでみてください。

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だから、使い分けるのがいちばんです

ここまでを整理すると、こうなります。記録するのは写真、飾るのはイラスト。この分け方が、いちばん無理がありません。

写真は、これからも撮りためてください。1日1枚でもいいので撮っておくと、あとで見返したときの厚みが違います。ただ、それをぜんぶ飾ることはできません。飾れるのはせいぜい数枚です。

その数枚の場所に、イラストを置く。写真は残したまま、飾る役だけをイラストに任せる。そう考えると、どちらかを諦める必要がなくなります。役割を分けると、それぞれの得意なところだけを使えます。

  • 毎日撮って、残すのは写真
    枚数の多さがそのまま記録になります。1日1枚でも撮っておくと、あとで見返したときの厚みが変わります。
  • 選んで、飾るのはイラスト
    飾れるのはせいぜい数枚です。その数枚の場所を、背景の入らないイラストに任せます。
  • 贈る・使うのもイラスト
    小さくしても形が残り、文字を重ねてもうるさくなりません。アイコンやあいさつ状に向きます。
  • 困ったときの助けもイラスト
    古い写真しか残っていない、画質があらい。そんなときに、飾れる形へ作りなおす方法になります。

イラストのもとは写真です

忘れられがちですが、イラストは写真からしか作れません。つまり、良い写真を撮っておくことは、良いイラストを作るための準備でもあります。写真をたくさん撮っている方ほど、イラストにしたときの選択肢が広がります。

場面ごとの向き不向き 飾る・贈る

とはいえ、場面によっては明確に向き不向きがあります。よくある5つの場面を、飾る・贈る場面と、画面や紙で使う場面に分けて並べてみます。

旅立った子を見送る、飾る

写真とイラスト、両方を置く方が多いようです。写真は「たしかにここにいた」という記録として。イラストは、毎日目に入る場所に置くものとして。写真を見るのがまだつらい時期でも、イラストなら飾れる、という声を聞きます。進め方はメモリアルイラストの記事にまとめています。

誰かへの贈りもの

ここはイラストが向いています。人の写真を勝手に加工して贈るのは気をつかいますが、イラストなら「あなたの子を、こういう形にしてみました」という贈りものとして渡せます。もらった側も飾りやすく、置き場所に困りません。

玄関やリビングに飾る

人の目に触れる場所なので、背景の入らないイラストのほうが置きやすくなります。壁の色や家具の色となじませやすいのも、イラストの利点です。飾り方のアイデアは飾り方の記事に集めています。

場面ごとの向き不向き 画面と紙で使う

続いて、飾るのではなく「何かに使う」場面です。ここでは、小さく表示されたときや、文字を重ねたときにどう見えるかが判断の分かれ目になります。

SNSのアイコン

イラストのほうが扱いやすい場面です。アイコンは小さく丸く表示されるので、写真だと何が写っているのか分かりにくくなりがちです。線がはっきりしたイラストなら、小さくしても形が残ります。サイズの目安はアイコン用イラストの記事にあります。

年賀状や、季節のあいさつ

どちらでも成立しますが、文字を重ねる前提ならイラストのほうが作りやすくなります。写真は情報が多いので、文字を載せると読みにくくなりがちです。イラストは余白を作りやすく、あいさつの文が収まります。

グッズにするなら、イラストのほうが向いています

キーホルダー、マグカップ、トートバッグ。うちの子のグッズを作りたいと思ったとき、素材として扱いやすいのはイラストのほうです。

理由は単純で、印刷したときの見え方です。写真は色数が多いので、布や陶器に印刷すると、思ったより沈んだ色になることがあります。イラストは色数が少なく、線がはっきりしているので、素材が変わっても形が崩れにくいのです。

小さいサイズに縮めたときも同じです。キーホルダーのように数センチしかないものだと、写真は細部がつぶれます。イラストなら、小さくても「うちの子だ」と分かります。作れるものの種類はグッズ集にまとめました。

写真とイラストを、並べて飾る

使い分けの話をしてきましたが、いちばんおすすめしたいのは、両方を並べて飾ることです。

同じ大きさのフレームを2つ用意して、片方に写真、片方にイラストを入れる。そうして並べると、それぞれが違うことを語りはじめます。写真は「この日、こんなことがあった」を、イラストは「この子はこういう子だった」を。

とくに、同じ写真からイラストを作って並べると、見比べる楽しさがあります。この目の形をこう描いたのか、ここのふわふわをこう表したのか。そういう発見が、飾ったあとも続きます。印刷して並べる方法はコンビニ印刷の記事にあります。

よくある質問

写真をアプリで加工するのとは、何が違いますか

アプリの加工は、もとの写真の情報をもとに色や形を変えるものです。写真の構図がそのまま残るぶん、手軽に試せます。イラストは写真を参考にして一から絵を起こすので、構図や姿勢を整えることもできます。手軽さならアプリ、飾ることが目的ならイラスト、という分け方になります。

写真がぶれていても、イラストにできますか

目・鼻・耳の位置と、毛色や模様が分かる程度に写っていれば、多くの場合は作れます。ただし、シルエットだけになっている写真や、顔の半分以上が隠れている写真は、特徴が読み取れません。判断に迷うときは、送って相談してみてください。

どっちから先に作るのがいいですか

写真はすでに手もとにあるはずなので、まずイラストを1枚作ってみるのが早道です。実物が手に入ると「飾る」ことのイメージがはっきりします。アニマル日和では、はじめての方に1枚無料でプレゼントしているので、そこから試していただけます。

さいごに

写真とイラストは、競争するものではありません。写真がなければイラストは作れませんし、イラストがあると写真の見え方も少し変わります。

今日も1枚、写真を撮ってください。そして、その中のいちばん好きな1枚を、飾れる形に変えてみてください。何百枚のうちの1枚が、毎日目に入る場所に立ち上がる。そういう変化を、この記事のおしまいに置いておきます。

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