写真をイラストにできる無料アプリ
できることと、うまくいかないときの直し方

スマホのアプリでうちの子の写真をイラストにしてみたけれど、なんだか知らない子が出てきた。そんな経験のある方に向けた記事です。写真をイラストにできるアプリにはどんな種類があるのか、うまく変換されないときは何を直せばいいのか、そしてアプリでできることとできないことを、順番に整理していきます。特定のアプリの良し悪しではなく、元になる写真の話が中心です。
この記事の内容
「アプリで変換したのに、うちの子に見えない」
目のかたちが違う。毛色が変わっている。黒い子が、目も鼻も分からない黒いかたまりになっている。ペットの写真をイラスト化するアプリを使って、こういう結果になった、という声はよく聞きます。せっかくお気に入りの写真を選んだのに、出てきたのが別の子だと、がっかりしてしまいますよね。
ただ、これはアプリの性能が低いから起きているとは限りません。多くは写真とアプリの相性で説明がつきます。しくみを少し知っておくと、「なぜこうなったのか」が自分で分かるようになり、直し方も見当がつくようになります。
この記事では、特定のアプリ名を挙げて「これがいい」「これはだめ」という書き方はしません。アプリは入れ替わりが早く、同じ名前でも中身がまるごと変わることがあるためです。かわりに「こういう種類のアプリがあります」という分け方でご案内します。
写真をイラストにするアプリは、大きく2種類ある
名前も見た目もいろいろありますが、中でやっていることで分けると、だいたい2つに分かれます。この2つは得意なことも失敗の仕方も違うので、まずここを押さえてください。
1. フィルター系 — 写真そのものを加工する
写真の色の数を減らしたり、輪郭を線として抜き出したり、絵の具のような質感を重ねたりして、写真を「絵っぽく」見せるタイプです。もとの写真の形はそのまま残るので、構図やポーズは変わりません。そのかわり、写真に写っていないもの(毛にうもれた耳、暗くて見えないあご)は出てきません。
処理が軽く、その場ですぐ結果が出るのが特徴です。もともと写真としてよく撮れている1枚に使うと、気持ちよくハマります。反対に、暗い写真やぶれた写真では、その暗さやぶれがそのまま「絵の粗さ」として出てしまいます。写真の良し悪しがそのまま出る、と考えてください。
2. 生成系 — 写真をもとに、新しく描き起こす
写真を手がかりにして、絵をいちから作り直すタイプです。ポーズや背景が変わることもあります。うまくいくと本当に「描いてもらった絵」に見えますが、うまくいかないときは、うちの子ではない別の子が出てきます。当たりはずれの幅が大きいのが特徴です。
生成系のしくみは、たくさんの絵を学習した結果として「犬とはこういうかたち」「猫とはこういうかたち」という平均的な形を持っています。そのため、めずらしい毛色、少し折れた耳、片目だけ色が違うといったその子だけの特徴は、平均のほうへ引っぱられて消えやすくなります。
どちらが上、という話ではありません
フィルター系は「写真の形を守るのが得意で、情報を足すのは苦手」。生成系は「絵らしさを作るのが得意で、その子らしさを守るのは苦手」。目的によって、向くほうが変わります。
うまく変換されないときの、4つの典型
ご相談としてよく聞くのは、次の4つです。それぞれ原因がちがうので、対処もちがいます。心当たりのあるものから読んでみてください。
顔が崩れる・別の子になってしまう
いちばん多いのは、顔が画面の中で小さすぎるときです。全身が写った写真から顔だけを拡大して処理すると、もとの情報が足りないので、目や鼻の位置があいまいになります。対処は、顔がしっかり写っている別の写真を使うこと。同じ日の連写の中に、たいてい1枚は見つかります。
もう一つ多いのが、極端に見上げた・見下ろした角度です。顔の比率が実際と違って写るため、そのままイラストにすると鼻が大きすぎたり、頭が長すぎたりします。うちの子の目線の高さにスマホを下ろして撮った写真のほうが、結果が安定します。撮り方はスマホでの撮り方の記事にまとめています。
毛色が変わってしまう
部屋の照明の色が、そのまま毛色として読み取られていることがよくあります。電球色のあかりの下で撮ると白い子がクリーム色に、蛍光灯の下だと茶色い子が灰色っぽく写ります。人の目は照明の色を自動で補正して見ていますが、アプリは写っている色をそのまま受け取ります。
対処は、窓のそばか屋外の自然な光で撮り直すことです。どうしても撮り直せない写真なら、アプリに入れる前にスマホの写真編集で「色温度(写真の色みの暖かさ)」を少しだけ動かしてから渡すと、結果が変わります。
黒い子が、つぶれて目も鼻も見えない
黒い毛の子は、写真だと顔全体が一つの黒いかたまりになりやすく、アプリ側も目と鼻の位置を見つけられません。ここでの対処は「明るく撮る」ではなく「光の向きを変える」です。真正面からの光より、斜め前から光が当たったほうが、毛のつやで顔の立体感が出ます。
黒い子の撮り方は、それだけで一本の記事になるくらいコツがあります。くわしくは黒い犬・黒猫の撮り方をご覧ください。白い子には白い子の別のコツがあります。
2匹いっしょだと、混ざってしまう
2匹が体を寄せ合っている写真では、どこまでが1匹目でどこからが2匹目か、アプリ側が判断できません。結果として、足の数が合わない、しっぽが1本足りない、毛色が混ざる、といったことが起きます。対処は、1匹ずつトリミングして別々に処理し、あとで並べることです。1枚にまとめたい場合の考え方は多頭飼いを1枚のイラストにに書いています。
直す順番 — 上から試すと早い
直し方はいくつもありますが、効く順番があります。下から手をつけると遠回りになりがちなので、上から順に試してみてください。
- 1. 元の写真を変える
いちばん効きます。アプリの設定をいくら変えるより、顔が大きく明るく写った別の1枚に替えるほうが結果が変わります。 - 2. 明るさを直す
暗い部分に情報が残っていれば、明るさを上げるだけで目と鼻が見つかるようになります。 - 3. トリミングする
顔が画面の半分くらいになるまで切り取ってから渡します。どの種類のアプリでも成績が上がります。 - 4. 背景を整理する
背景に人の顔・他の動物・柄物のクッションがあると、そちらに引っぱられることがあります。 - 5. 別の種類のアプリを試す
ここまでやってだめなら、フィルター系と生成系を入れ替えてみます。順番としては最後です。
「元の写真を変える」が最初に来るのは、どの種類のアプリでも、写っていない情報は作り出せないからです。目が前髪で完全に隠れている写真からは、目のかたちは出てきません。ここだけは、アプリを乗り換えても解決しません。
明るさとトリミングの、具体的な直し方
明るさは「目と鼻が分かる」ところで止める
スマホの写真編集にある「明るさ」や「露出(写真の明るさ)」を上げると、暗い部分の情報が見えるようになります。ただし上げすぎると、白い部分が真っ白にとんでしまい、毛のふくらみが消えます。目と鼻の位置がはっきり分かるところで手を止めるのがコツです。
「シャドウ」という項目があれば、そちらを上げるほうがおすすめです。明るい部分をそのままに、暗い部分だけを持ち上げてくれるので、白とびを起こしにくくなります。
トリミングは、耳の先とあごを切らない
顔が画面の半分くらいを占めるところまで切り取ってから渡すと、結果がぐっと安定します。ただし、耳の先やあごが画面の外に出ないように気をつけてください。切れている部分は、アプリが想像で埋めます。そこが「うちの子じゃない」の原因になりやすい場所です。
はじめての方だけ・1枚無料
アプリと、人やサービスにお願いすることのちがい
どちらが良い悪いではなく、向いていることが違います。3つの点で比べてみます。
仕上がりが安定するかどうか
生成系のアプリは、同じ写真を入れても、実行するたびに少しずつ違う絵が出てきます。「さっきのほうが良かった」が起きても、まったく同じものをもう一度出すのは難しいことがあります。決まった画風で、何枚作っても同じ雰囲気にそろえたい場合は、人やサービスに頼むほうが向いています。
たとえばアニマル日和は、2頭身のちびキャラ・こげ茶のやわらかい線・ほっぺにコーラルの丸、という決まった描き方をしています。1匹目と2匹目を別の日に作っても、並べたときに同じ家族の絵に見えます。この「そろう」という点は、その場かぎりの変換とは性質が違います。
使ってよい範囲(利用規約)
作った絵をグッズにして売る、お店の看板や名刺に使う、といった商用の使い方は、アプリごとに条件がちがいます。無料のアプリでは「個人で楽しむ範囲まで」と決められていることが多いので、使う前にアプリ内の利用規約を確認してください。ここは見落とされやすいところです。
相談できるかどうか
「この写真だとむずかしいですか」「片方の耳だけ折れているのを残してほしい」といった相談は、アプリにはできません。うまくいかない理由も教えてくれません。人が描く場合は、写真を見て「この写真ならこう描けます」という会話から始められます。
使い分けの目安
ここまでをふまえて、ざっくりした使い分けの目安をまとめます。絶対の正解はないので、気軽な出発点として読んでください。
- まずは気軽にためしたい
アプリが向いています。無料ですぐ結果が見られるので、雰囲気をつかむには十分です。 - SNSのアイコンにしたい
小さく表示されるので、細かい再現よりシルエットの分かりやすさが大事です。どちらでも作れます。 - 印刷して飾りたい・贈りたい
仕上がりの安定と、印刷に耐えるサイズが要ります。人やサービスに頼むほうが確実です。 - グッズにしたい・お店で使いたい
使ってよい範囲がはっきりしている必要があります。利用条件を確認できる依頼先を選んでください。
よくある質問
無料アプリだけで、飾れる品質になりますか?
写真が良ければ、じゅうぶん見られるものになることもあります。気をつけたいのは画像のサイズです。アプリによっては保存されるサイズが小さく、L判に印刷すると輪郭がぼやけることがあります。印刷が目的なら、保存後のサイズを確認してください。
アプリに写真をアップロードして大丈夫でしょうか
アプリによって、写真をサーバーに送るもの、端末の中だけで処理するもの、送った写真を学習に使うものがあります。心配な場合は、アプリ内のプライバシーに関する説明を読んでから使ってください。人が写り込んでいる写真は、その人にも関わることなので、より慎重に扱うのがおすすめです。
アニマル日和のイラストは、アプリの変換とどう違いますか
写真をそのまま加工するのではなく、その子の特徴を読み取ってから、決まった画風で描き起こします。毛色・模様・耳の形など「この子だと分かるところ」は残しつつ、かたちをまるく整えます。画風そのものの話はゆるかわイラストが選ばれる理由に、送る写真の選び方はイラストにしやすい写真の条件にまとめています。
さいごに
アプリでうまくいかなかったとき、真っ先に疑いたくなるのはアプリのほうですが、直して効くのはたいてい元の写真です。顔が大きく、明るく、目と鼻がはっきり見えている1枚。これを用意するだけで、どのやり方を選んでも結果が変わります。
そして、写真選びで迷ったら、まず作られたものを見てから決めるという手もあります。アニマル日和では、はじめての方に3枚ぶんを作ってお見せしたうえで、好きな1枚をお渡ししています。うちの子がイラストになったらどんな感じか、費用をかけずに確かめてみてください。
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