猫の写真の撮り方ガイド
目線・音・光。猫に合わせた7つの工夫で、写真は変わります

写真の撮り方

ゆるかわタッチで描いた、窓辺にすわる白黒の猫のイラスト

猫の写真がうまく撮れないのは、猫が気まぐれだからではありません。犬と同じやり方で撮ろうとしていることが原因のほとんどです。呼べば来る、名前を呼べば振り向く、という前提が猫には通じません。この記事では、猫に合わせた撮り方だけを7つに絞ってご紹介します。共通するのは、追いかけないこと。こちらが動くのをやめると、猫はよく写ります。

猫の写真がむずかしいのは、猫のせいではありません

カメラを向けると顔をそむける。近づくと逃げる。やっと撮れたと思ったら、目をつぶっている。猫を飼っている方なら、心当たりがあると思います。

これは猫の性質から見ると、ごく自然な反応です。猫はまっすぐ見つめ合うことを警戒のサインとして受け取ります。レンズという大きな目でじっと見られると、居心地が悪くなるのです。また、耳がとても良いので、シャッター音や近づく足音にも反応します。

だから猫の撮影は、「こちらを向かせる」から「向いた瞬間をもらう」へ考え方を切りかえるとうまくいきます。ここから紹介するコツは、すべてこの一点につながっています。

工夫1|まず、シャッター音を消す

これを最初にやってください。カシャという音は、猫にとってはっきり聞こえる警戒音です。1枚目で気づかれて、2枚目からは顔をそむけられてしまいます。

音を消す方法は機種によって違います。多くのスマホではマナーモードにすると無音になりますが、日本国内向けの端末では消せない場合もあります。そのときは、動画で撮っておいてあとから静止画を切り出す、という方法が使えます。音を出さずに済むうえ、いちばんいい表情のコマを選べます。

足音も同じです。フローリングをかかとから歩くと、猫はこちらが動き出したことに気づいて顔を上げます。撮ろうと思ったら、すり足で近づくか、そもそも動かない。音を立てないことは、猫の撮影ではピント合わせと同じくらい大事な準備です。

工夫2|追いかけない。同じ部屋で、じっとしている

猫が落ち着いているところへ近づいていくと、その時点で撮影は終わります。かわりに、猫のいる部屋で自分が座り、しばらく何もしないでいてください。数分もすると、猫はこちらを気にしなくなります。

そのあいだにカメラを構えて、ピントだけ合わせておきます。猫が体勢を変えたり、顔を上げたりした瞬間に押す。待っている時間が長いほど、撮れる表情は自然になります。

床に寝そべると、世界が変わります

猫の目線は床から20〜30センチほどのところにあります。立ったまま撮ると、どうしても見下ろした写真になります。床に寝そべって、ひじをついてカメラを構える。この姿勢が、猫の写真ではいちばん強い武器になります。

工夫3|ねらいめは、寝ているときと毛づくろい中

猫が動かない時間は、一日のうちにたくさんあります。眠っているとき、日なたで丸くなっているとき、そして毛づくろいをしているとき。この3つが、猫の撮影でいちばん成功しやすい場面です。

とくに毛づくろい中はおすすめです。手足を舐めるために体をひねる、後ろ足を高く上げる、舌が少し出たまま止まる。ふだん見られない形と表情が、次々に出てきます。カメラを構えたまま、連写でついていってください。

寝顔は、うちの子の写真として長く残る一枚になりやすいものです。近づきすぎず、少し離れたところから、明るさだけ合わせて撮ってください。フラッシュは使わないでください。強い光は猫を驚かせますし、目にも負担になります。

工夫4|窓辺の光が、猫をいちばんきれいに見せる

猫は自分から日なたに来てくれるので、光の面ではとても撮りやすい相手です。窓から入る昼間の光は、毛の一本一本を浮かび上がらせて、色も正しく出してくれます。照明の下で撮った写真とは、はっきり差が出ます。

気をつけたいのは、猫の後ろに窓がくる位置です。逆光になって、顔が真っ黒なシルエットになります。自分が回りこんで、窓が猫の横か斜め前にくる位置から撮ってください。半歩動くだけで足ります。

黒猫の場合は、これでもまだ顔がつぶれることがあります。露出(写真の明るさ)を少し上げるなどの対処を黒い犬・黒猫の撮り方にまとめました。

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工夫5|瞳の大きさは、時間帯で変わる

猫の瞳は、明るいところでは細くなり、暗くなると大きく広がります。まんまるの目の写真を撮りたいなら、真昼の明るい窓辺よりも、夕方や、少し光を落とした室内のほうが向いています。

ただし暗すぎると、写真がぼやけたりざらついたりします。おすすめは、レースのカーテンを引いた窓辺や、夕方前のやわらかい光が入る時間です。瞳が大きくなり、それでいて手ブレしない明るさが残ります。

遊んでいるときや何かに集中しているときも、瞳は大きくなります。おもちゃを見つめている顔は、目がまんまるで、猫らしい表情が出ます。

工夫6|おもちゃで、視線を誘導する

どうしてもカメラのほうを向いてほしいときは、名前を呼ぶより、おもちゃを使うほうが確実です。猫じゃらしや、小さく音の鳴るものを、カメラのすぐ真横か真上で動かします。視線がそこへ向くので、結果としてほぼカメラ目線になります。

ひとりで撮るなら、おもちゃを持っていない側の手でスマホを構え、指だけでシャッターを押します。二人いるなら、片方が撮って、もう片方がカメラの後ろでおもちゃを動かすと、ずっとやりやすくなります。

ただし、猫は同じ手にすぐ飽きます。長く続けず、10秒だけ、と決めて短く使ってください。動きが激しくてブレるときは、じっとしてくれない子の撮り方もあわせてご覧ください。

工夫7|近づきすぎない。少し離れて、寄せる

顔を大きく写したくてレンズを近づけると、猫は身を引くか、においを嗅ぎに来て画面いっぱいの鼻になります。どちらも、ねらった写真にはなりません。

1メートルほど離れたところから撮って、あとから写真をトリミングする(切り取る)ほうがきれいに撮れます。近づきすぎると鼻先が大きく写って形もゆがみます。少し離れた距離のほうが、猫本来の顔立ちがそのまま残ります。

離れて撮るもうひとつの利点は、猫が警戒しないことです。こちらが動かないでいると、猫のほうから寄ってきて、足もとで寝転がったりします。その姿こそ、いちばん撮りたかった写真だったりします。

  • 音を消したか
    マナーモードにするか、動画で撮って切り出す。
  • 自分が動いていないか
    追いかけず、同じ部屋で待つ。数分で猫は気にしなくなります。
  • 高さは合っているか
    床に寝そべる。立ったままでは猫の写真になりません。
  • 窓はどこか
    猫の横か斜め前に。真後ろだと逆光になります。
  • 距離は近すぎないか
    1メートル離れて撮り、あとから切り取る。

よくある質問

何度撮っても目をつぶってしまいます

連写を使ってください。1枚ずつ撮ると、まばたきの瞬間に当たる確率がどうしても上がります。シャッターボタンを長押しして10枚ほど撮り、あとから目の開いているコマを選ぶほうが確実です。

撮った写真がどれも似た顔になります

撮る場所が同じだと、写真も似てきます。窓辺、キャットタワーの上、廊下、ベッドの上と、場所を変えてみてください。角度も、正面だけでなく横顔や後ろ姿を混ぜると、並べたときの印象がはっきり分かれます。

撮った写真をイラストにできますか

できます。顔の向きや模様がはっきり分かる写真であれば、多少ぼやけていても大丈夫です。猫の作例は猫のイラスト作例にまとめています。基本の撮り方はスマホで撮る7つのコツもあわせてどうぞ。

さいごに

猫の写真は、待っている時間のほうが長い撮影です。カメラを構えて座っているだけの5分が、いちばんいい1枚につながります。うまくいかない日は、その日はあきらめて、また明日にしてください。猫は毎日そこにいます。

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